2026/03/21 00:15
「空気感」の伝え方。
この体験に衝撃を受け、
さっそく帰国後、周囲に伝えようとしました。
同時に、この「空気感」の素晴らしさを、
言語や写真、映像で伝えることの難しさに直面しました。
アクティビティや観光地の素晴らしさは
映像ではっきりと伝えることができますが、
「空気感」というものは、
やはり視覚、聴覚に加えて、
嗅覚も合わさって
初めて生まれるものなのかもしれません。
だからこそ、当時はポートランドの朝の良さを
うまく伝えることができませんでした。
"香り"が持つ力。
一方で私自身、社会人1年目から約3年間、
香り商材の商品開発をしていました。
個人的にもアロマテラピー検定を
取得したりしていたのですが、
特に自然界の植物などから抽出する
「天然香料、精油、エッセンシャルオイル」には、
抽出した成分に様々な効果があるといわれています。
それは、植物自身が身を守るために発する
「忌避効果」であったり
逆に虫に花粉を運んでもらって
子孫を残すために発する「誘引効果」だったり。
そして、そのそれぞれの効果・成分が相まって、
人間の自律神経にも作用をして、
心が落ち着いたり、元気が出たりする、
というメカニズムです。
また、もう一つの作用として、香りを嗅ぐと
記憶をつかさどる脳の海馬や
感情に作用する扁桃体に直接信号が送られることで、
記憶や情景を呼び覚ますことができます。

小さい頃から親の影響でアロマに馴染みがあり、
生活の中で当たり前にあった「香り」という存在ですが、
香りというものは、
ただ「良い香り」として存在しているだけではなく、
科学的にも理由のあるものであること。
そしてさらに効能だけでなく、
記憶や体験からくる
「記憶装置」としての力があることを知り、
香りの持つ力を再認識しました。
「空気感」を完成させる「香り」。
話は戻りますが、先ほどお話しした通り、
以前から、海外旅行に行った体験談を話すとき、
その「空気感」を伝えるためには
写真や映像で伝えるしか方法はありませんでした。
特に今回のポートランドでの体験は、
みんながイメージする海外旅行とは違い、
「当たり前の朝」を伝えたかったのですが、
感覚の共有というものは曖昧で、
映像では伝えきれません。
…でも、香りには記憶装置としての力があります。
では、あのポートランドの生活で体感した
静かな朝を
香りを使って再現することが
できるのではないでしょうか。
そして、そもそもなぜポートランドの朝が
静かで心落ち着く印象に感じたのか。
それは、外から香ってくる草木の成分も
少なからず影響しているのではないか。
そう、天然香料には自然の持つ力もある。
それであれば、天然成分による効果のある
香料でなくてはならない。
天然の香料を使用して
植物の持つ成分を活かしながら、
ポートランドの朝の香りを
なるべく本物に近い形で再現しよう。
そのように、私の中で決意が固まりました。
